2012-01-01から1年間の記事一覧

東京タワー

公開開始を迎えて、スカイツリーが話題を集めている。が、それほど熱気を帯びているわけでもなく、むしろ静かなくらいである。 東京タワーのときは熱狂的だった。ものすごいものができた、とさかんにあおり、また、その熱狂に乗っていた。ときまさに、高度成…

ジャズ喫茶

ジャズ喫茶もめっきり少なくなったようです。 横浜野毛の千草のような名店はともかくとして、もう少しグレードの低い(と言っては失礼ですね。要するに素人でも気軽に入りやすい)店はちょくちょく利用していました。 そう、〝利用〟していたのです。ジャズ…

教会

「名犬ラッシー」などのアメリカ産のテレビ番組では、日曜日に教会へ行くシーンが頻繁に登場していた。 少年(わたし)にとってアメリカは憧れ、かっこいいものだった。で、当然のように、教会も素敵な場所、外国っぽいところ、と勝手に思いこんでいた。 も…

葡萄酒、ワイン、赤玉

昔は「ワイン」とは言わずに「葡萄酒」と言っていた。 なんとなく、ワインよりも葡萄酒のほうが親しみがあり、それでいて豊かで重厚で上等な感じがする。なぜだか、ワインというと安っぽい印象さえうかんでします。 当然ながら子どもは葡萄酒を飲むことがで…

雨の日のお迎え

雨が降ると傘を持って出なかった家族のために傘をもって迎えに行った(行かされた)。 迎える先は学校であったり、駅やバス停であったり。 今のように、携帯は無論のこと、家庭に電話のある家すら多くはなかったので、連絡し合ってではなく、時間や場所の打…

仁丹

かつてはポケットに仁丹をしのばせている大人がたくさんいた。あのスーとする感覚がよいのだろうか。あるいは煙草などの口臭消しのため? チューインガムが普及しても、仁丹派は頑固、仁丹派であった。 それがいまはどうだろう。仁丹を持ち歩いているひとは…

ろう石

最近見かけなくなったもののひとつにろう石がある。一センチ角くらいで長さ十センチくらいの石の棒である。もちろん、もともとこんな形をしているわけでない。大きな自然石の塊から使いやすいサイズに切り出したものである。 石でありながら比較的柔らかく、…

ダブルヘッダー

プロ野球も開幕した。ずうーっと続いている野球だが、変わったこともたくさんある。そのひとつがダブルヘッダーが無くなったこと。 ダブルヘッダーをご存じないかたもいるかもしれない。一日に続けて二試合行うことをそう呼んでいた。対戦相手を変えて二試合…

金魚鉢

かつて、金魚鉢といえば巾着型、すなわち、丸い形で上がすぼまり、それからまた花びらのようにひらひらと拡がる形をしたものが一般的だった。球形はレンズの効果で中の金魚を大きく見せる効果もあった。 ところが近ごろでは、水槽といえば、皆が皆、四角いも…

しもやけ、あかぎれ

ちょっと時期を失した話題になるが、かつては冬になると、しもやけ、あかぎれは当たり前のことだった。子どもの手足指は当たり前のように真っ赤に腫れていた。ひびがはいって血を滲ませた子ども多かった。 わたしも毎年、耳と足にしもやけができた。耳にでき…

段差のあるトイレ

おそらくは団地(公団アパート)で始まったのだろうと思われるが、不思議な形態のトイレがあった。 トイレの中が二段構造になっている。奥半分ほどが15センチだか20センチだか高くなっている。その高くなったところに和式の便器が設置されている。便器のうし…

美男美女

かつては、美男といえばアラン・ドロン。むろん、ほかにも美男美女は多数存在したが、それでも、美男の代名詞はアラン・ドロンと決まっていた。アラン・ドロンの顔を知らなくとも、アラン・ドロンが美男子であることはだれも知っていた。それが(日本人の)…

東京オリンピック。我が元号最後の年

子どもころを振り返って最大のイベントは東京オリンピックだった とりわけ開会式。スカッと晴れた青空の下(テレビは白黒だったが)、ファンファーレが響き渡り、軽快な行進曲に乗って各国の選手団がぞくぞくと現れる。競技場にどんどん選手が増えてくる。ひ…

ナップサック

かつて一世を風靡したもののひとつにナップサックがある。これがいつの間にか消えてしまった。いまではナップサックといってもなんのことか、わからないひともいるだろう。 簡単な鞄である。ナイロンの袋に丸い綴じ紐が二本ついただけの鞄である。ちょっとだ…

A4そして平成

いま、一般的な紙のサイズはA4にほぼ統一されているが、三十年ほど前はそうではなかった。A系とB系が入り乱れていた。どちらかといえば、技術系はA4を、事務系はB5を主に使っていた。 その後、情報量の多い(つまり面積の広い)A4に統一される兆し…

神棚

我が家にはなかったけれど、小さな神棚は普通に見られた。部屋の角の鴨居に板を乗せ、壁から斜めに支柱を張って板を支える。板の上には扉のようなご神体と御札。その前に御神酒徳利のような陶器。そしてシダのような葉っぱや稲妻型の紙がお供えされている。…

野良犬

野良犬もほとんど見かけなくなってきた。 かつては野良犬がそこかしこにいっぱいいて、道を歩くのがこわかったこともある。野良犬に追いかけられて、ゴミ箱に飛び乗り難を逃れたこともある(そういえば、ゴミ箱も路地から消えてしまった)。 かつてジョギン…

あぶらむし

アブラムシはアリの子分のような小さな黒い虫で、植物に群れ、密を吸う。植物をダメにする害虫である。天敵はテントウムシ。アリは密欲しさにアブラムシを守る。 ところで、かつて、これとはまったく別のアブラムシがいた。油虫。ゴキブリのことをこう呼んで…

日の丸

正月に町内を歩いていて見かけた日の丸は一本だけだった。成人の日は皆無。もっとも、この日は従来15日だったものがハッピーマンデーに変わったので、日にちをはっきり認識しづらいのかもしれないが。さて、つぎの建国記念日はいかに? むかしは日の丸を掲げ…

冷蔵庫の鍵

昔の冷蔵庫には鍵がついていた。それはなぜ? 中身を取られるから? でも冷蔵庫は家庭の中、子どもが勝手に飲み食いするのを防止するためだろうか。 テレビには厚手の布カバーがかけられていた。見るときはこれをめくりあげる。カバーを掛けるほど大事なもの…

猥歌、春歌

かつて猥歌、春歌は宴席の定番であった。文字通り、猥褻な歌、嫌らしい歌である。手拍子に合わせて次から次へ唄われた。 最近は、あまり耳にしないような気がする。絶滅してしまったのだろうか。そうだとすれば、衰退の原因はなんだろう? 最大の原因はカラ…

お茶で飲める

改源という薬があった。いや、いまもあるだろう。 作詞家の藤浦洸(*)が出演したテレビCMがあった。そのうたい文句は「お茶で飲める風邪薬」。 なんの気なしに聞いていた。が、いまになってふと思い出し、あれっと思った。〝お茶で飲んでも効能に影響は…

子どもは地域で

いまの時代、子どもを育てるのは親だけになってしまったらしい。いや、子育てを放棄してしまった親もいるようだ。学校や塾に責任を押しつける親もいるそうだ。 昔は、親も学校も、そして地域でも子どもを育てた。親と学校はさておいて、地域に注目。 かつて…

歯磨き

子どものころ、朝起きてまず最初にやることは歯磨きと洗顔。そういう風に習ったし、そういう風にしていた。わたしだけでなくたくさんのひとがそれを習慣としていた。歯磨きは夜寝る前と朝起きてすぐ。それが普通だった。 ちょっと考えてみれば、朝起きてすぐ…