雨の日のお迎え
雨が降ると傘を持って出なかった家族のために傘をもって迎えに行った(行かされた)。
迎える先は学校であったり、駅やバス停であったり。
今のように、携帯は無論のこと、家庭に電話のある家すら多くはなかったので、連絡し合ってではなく、時間や場所の打ち合わせもないまま、一方的に迎えに行く。迎えに来た人どおし話が弾んだりもする。
どういうわけだか、この雨の日のお迎えの光景を目にすることがほとんどなくなった。なぜだろう?
携帯電話の普及が迎えを不要にしたとは思えない。
皆が皆、いつも折り畳み傘を持ち歩いているわけではないだろう。
濡れることをいとわなくなったわけでもなさそう。
タクシーを使うのだろうか。以前よりは多少気軽に使われているようにも見えるが、皆が皆タクシーに置き換わったわけではなさそう。タクシー待ちの長い行列ができることは多くはないので。
おおっと、そうか。タクシーでわかった。傘を持ってのお出迎えでなく、クルマでのお迎えならあるんじゃないの。我が家にはクルマがないので思いつかなかったが……。携帯で連絡してクルマでのお迎えを乞う。そうだ、これだ! なあーんだ、つまらない。