2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

おつかい

こどものころはよくお使いに行かされた。買い物である。その買い物のスタイルがいまとはちょっと違っていた。 量り売りという売りかたも多かった。たとえば、味噌はしゃもじですくってきょうぎに乗せ、重さを量って幾らということになった。ついでながら重さ…

カレーライス

昭和のカレーライス――まだライスカレーというほうが優勢だったかもしれないが――は今とほんの少しだけ違っていた。 まずは盛り付け。左側にご飯があって右側のカレーを自分でかけて食べるようなスタイルではなかった。まして、カレーとご飯が別々に出てくるよ…

ミルクホール

ミルクホールというものがあった。やや、いかがわしいところもあったようなのだが、わたしが知っているのは超健全な文字通りのミルクホール。 それはパン屋さんの二階にあった。喫茶店のようなものだが、コーヒー、紅茶ではなく、牛乳がメインだった。暖かい…

普段着

父は会社勤めをしていた。仕事を終えて帰宅するとまず着替える。大概は、着物つまり和服に着替えていた。和服といってもシャキッとしたものではない。よれよれと言っては言いすぎだが、まあ、そんな感じのしれっとした肌合いのきのもを着ていた。着物の下は…

いちごの食べかた

ご飯やみかんの食べかたにくらべれば、気にするほどのことはないかも知れないが、昭和の時代、イチゴも奇妙な食べかたをしていた。 へたをとったイチゴをフチのある深い皿にいれる。それをスプーンの背でつぶす。このための専用のスプーンも売られていた。そ…