2018-01-01から1年間の記事一覧

屋根に上る

昭和の時代はよく屋根に上った。屋根の補修をしたり、誤って屋根まで飛ばしてしまったボールなどを取るためにのぼるのは理由のあることだが、そうではなく、用もないのに屋根に上ることもよくあった。 上ってどうするか。どうもしない。腰掛けて夕陽をながめ…

町の電気屋

昭和三十年ころまでの家庭には、テレビも洗濯機も冷蔵庫もなかった。町の電気屋さんで売っているのは、電球やテーブルタップ、自転車のダイナモ、それに電池くらいだったのではないでしょうか。大もうけすることもなかったでしょうが、それなりの商いはあっ…

消防自動車の鐘

昭和の消防自動車のサイレンは手回し、鐘も手で鳴らしていた。特に、鐘。疾走する自動車のステップに立って、カンカンと鐘をならす。勇壮な姿である。 ところでなぜ鐘を鳴らすのだろうか?? 緊急性を伝えるだけならサイレンで十分であろう。 救急車やパトカ…

冷蔵庫の鍵

昭和の冷蔵庫には鍵がついていた。 が、鍵を掛ける目的がよくわからない。 冷蔵庫によっぽど貴重なもをが容れることが想定されていたのだろうか。といってもわざわざ他人の家に押し入って冷蔵庫の中身を失敬しようなどとは思わないだろう。泥棒なら冷蔵庫の…

下駄

昭和の時代の履き物は、サラリーマンは別として、下駄と靴、半々だった。 下駄を履く時は靴下ではなく素足か足袋を履いていた。ズボンに足袋というのも、決して特殊ではなく、あたりまの装いだった。 下駄に足袋が日常の世界だった。 靴も足袋もサイズは文(…

百科事典、文学全集

昭和の時代、応接間というのが流行った。床は板敷きで(フローリングという言葉はなかった)、ソファやサイドボードなど置いていた。サイドボードには(ゴルフの)トロフィーやら洋酒セットなどが飾られていた。どこでも同じようだった。 硝子戸つきの本棚も…

関数電卓

昭和の時代、計算には算盤を使っていたが、四十年代後半になると電卓が出回った。最初はラップトップコンピュータ並みのサイズで一桁あたり一万円という値段だったが、これが一気に小型化され安くなった。 不思議なのは、小型電卓が出回り始めてさほど時間が…

クルマの注連飾り

お正月、昭和のクルマの前にはリースのように丸くした注連縄(しめなわ)が飾られていた。 まだまだクルマが少なく大事にされていたかもしれないが、ほとんどのクルマにつけられていた。バスや都電にも飾られていた。いやいや、バスや都電は正月に限らず、祝…

座りかた

テレビが普及しはじめたころ違和感のある光景をよく目にした。テレビ以外ではほとんど見かけない光景である。 光景というと大げさだが、それは女性の座りかたである。 テレビではイスに腰掛けた女性を正面から写すことが多かった。ミニスカートはまだ世に出…