2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

路地の写真家

かつては変わった商売があった。 カメラを肩に路地に入ってくる。カメラは大概上から除く蛇腹式のものである。シャッターをセットしてからシャッターボタンを押すタイプ。 写真家はそこで遊ぶこどもをひとりずつ写真に収める。原則ひとり一枚だが、兄弟とわ…

若い根っこの会

若い根っこの会というのがあった。いや、いまもなおあるのかもしれないが、会の名を耳にすることはない。 若い根っこの会というのは、よくは知らないのだが、集団就職で都会に出て来た若者たちが、就職先の都会で集うための会のようだ。 高度成長の時代を背…

街頭地図

街頭地図というものがあった。いや、今でもあるかもしれない。 その街の商店などの地図である。たいていの場合、記載はまばらである。全商店が記載されているわけではない。それはなぜ? それは、地図制作者に代金を支払った店だけが地図に載るからである。…

伝言板

むろん、昔は携帯電話などなかった。それどころか、固定電話すら当たり前ではなかった。 固定電話すらなかったのでひとと会うのも大変だった。 まずは相手の家を訪れる。いちいち電報なんて打っていられないから、予告なしのいきなり訪問である。不在なら待…