2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ひょうちゃん

そういう名前があると知ったのは随分と後になってからのことです。だけど、ひょうちゃんそのものは子どものころから知っていました。 ひょうちゃんというのは、崎陽軒のしうまい弁当についている陶器製の醤油入れです。ひょうたんの形をしているのでひょうち…

荷物を預かる

昭和の時代はいまのように個別配送が充実していなかった。荷物を配達していたのは郵便局か日通、そして盆暮れのデパートくらいのものである。 そのころ、いまでは考えられないようなことが、ごく当たり前に行われていた。届け先が不在の場合、平気で荷物を近…

運動靴

昭和の時代は運動靴だった。スニーカーなんて言葉はなかった。 ちなみに運動会になると運動靴にしようか、地下足袋にしようか、それとも裸足でいこうか、と迷う子どももたくさんいた。走る前にサロメチールを塗ると速くなるという信仰もあった。それはさてお…

昭和の朝の音

わたしにとって、昭和の朝は牛乳配達の音ではじまった。 あのころは、物売りの声で朝がはじまった。お馴染みは、納豆売り、シジミ売り。豆腐売りはあさは来ただろうか、夕方だけだっただろうか? 記憶が曖昧なり。 新聞配達の走る音、そして新聞をしごく音。…

お父さんの夏の夕暮れ

三十年代の前半から中盤にかけて家庭にテレビが普及していった。 夏の夕暮れ時のお父さんの典型的な光景は、 仕事を終えて帰宅するとステテコとだぼシャツに着替えます。やはりその頃から普及し始めた電気冷蔵庫からビールを一本取り出して、戸棚を開けてコ…