関数電卓

 昭和の時代、計算には算盤を使っていたが、四十年代後半になると電卓が出回った。最初はラップトップコンピュータ並みのサイズで一桁あたり一万円という値段だったが、これが一気に小型化され安くなった。

 不思議なのは、小型電卓が出回り始めてさほど時間が経たないうちに関数電卓が出回ったこと。小さいのに大した機能をもっていた。三角関数やべき乗、平方根、対数などの簡単に計算できるようになった。かっこを含む計算も式通りにできるので重宝した。分数の計算までできた。製図の際には必須の道具となった。

 もっと不思議なのは、そんな関数電卓がすうっと消えてしまったこと。関数電卓無しにどうやっているのだろう。コンピュータを使って図面をかくCADシステムになれば、関数の計算もやってくれるけれど、CADが普及する前に関数電卓は消えてしまったように思われる。ほんとうにどうしてなんだろう?