しもやけ、あかぎれ

 ちょっと時期を失した話題になるが、かつては冬になると、しもやけ、あかぎれは当たり前のことだった。子どもの手足指は当たり前のように真っ赤に腫れていた。ひびがはいって血を滲ませた子ども多かった。

 わたしも毎年、耳と足にしもやけができた。耳にできる子どもはさほど多くはなかったようだが、わたしはしっかり毎年足の指と耳たぶにしもやけを作っていた。

 寒くて腫れているうちはまだよい。暖かくなって、血が通い始めると猛烈に痒くなる。痒いからといって掻いてしまうと、皮が剥け血が滲み、治りにくくなる。

 かさぶたができても、それを無理に剥がすと血が滲む。気になって、ぺりっとはがしたくなる(これはこれである意味快感である。が、たいていはうまくいかず血が滲む)のをじっと我慢する。

 靴紐を解くと、締め付けられていた足がゆるんで血が流れ、猛烈に痒くなってくる。

 そんな経験は当たり前のことだった。

 当たり前だったしもやけ、あかぎれもいつの間にか珍しいものになってきた。温暖化のせい? いやいや、そんなものじゃないだろう。建物の機密性が増し、暖房が進化し、靴下や手袋の保温力が向上したお陰であろう。そして、栄養がよくなり血行がよくなったためでもあろう。

 これらは良いこと、なんだろうな、多分。