猥歌、春歌
かつて猥歌、春歌は宴席の定番であった。文字通り、猥褻な歌、嫌らしい歌である。手拍子に合わせて次から次へ唄われた。
最近は、あまり耳にしないような気がする。絶滅してしまったのだろうか。そうだとすれば、衰退の原因はなんだろう?
最大の原因はカラオケの出現であろう。猥歌、春歌はマイク(大音量)で唄うものではないし、うまく唄うものでもない。
わかもののユニセックス化も原因のひとつだろう。いやらしいことがおもしろくはなくなってしまった。あるいは逆に、途中省略で直接的な行為にはしり、比喩的、妄想的なことは好まれなくなってしまった。
猥歌、春歌はこのまま消滅してしまうのだろうか。その性質上、歌詞や楽譜もあまり記録されていないことだろう。消えてしまうことが惜しまれることなのかどうかはわからないけれど。
いや、もしかしたら、カラオケの片隅にこっそり残っているのかもしれない。一部では根強い人気があるのかもしれない。それくらいのしたたかさはありそうな気もする。真相やいかに。