冷蔵庫の鍵

 昔の冷蔵庫には鍵がついていた。それはなぜ? 中身を取られるから? でも冷蔵庫は家庭の中、子どもが勝手に飲み食いするのを防止するためだろうか。

 テレビには厚手の布カバーがかけられていた。見るときはこれをめくりあげる。カバーを掛けるほど大事なものだった、ということか。そういえば、ピアノにはレースのカバーが掛けられていた。

 画面の前につけるセルロイドだかなんだかでできた凸レンズもあった。中に水を容れ、凸レンズにして画面の前につけるとレンズの効果で画面が大きく見えるというもの。透明度やひずみなど非実用的なものだったが、ながらく出回っていたようなのでそれなりに需要があったのだろう。

 四本脚の回転台も定番だった。キャスター付き箱形のテレビ台に変わったのはいつのころだったか。

 扇風機のカバーに付けたリボン。扇風機がまわれば風でリボンがなびくのだが、だからそれがどうした。扇風機がまわっていることは見ればわかるし、からだに風も感じる。リボンは何の役にも立っていないと思うのだが。

 よくよく考えれば意味不明のものが結構出回っていた。まあ、これらは愛嬌。世の中には愛嬌では済まない意味不明も多々ある。とりわけ政治、経済の世界には多いようだ。が、それはさておく。