お茶で飲める

 改源という薬があった。いや、いまもあるだろう。

 作詞家の藤浦洸(*)が出演したテレビCMがあった。そのうたい文句は「お茶で飲める風邪薬」。

 なんの気なしに聞いていた。が、いまになってふと思い出し、あれっと思った。〝お茶で飲んでも効能に影響はない、副作用もない〟ということなのだろうが…………ちょっと待てよ、お茶で飲めるとなにか良いことがあるのだろうか? 水ではなく、お茶で飲めることになにかメリットがあるだろうか?

 聞いて〝なるほど〟と思うものの、よくよく考えてみれば意味がわからないこと、そんなことが今よりたくさんあったような気がする。もっとも今は、最初からなるほどとは思わず〝どうして?〟と疑ってしまうことのほうが多いのかもしれないが。


 *超代表作に「別れのブルース服部良一作曲、淡谷のり子