教会

 「名犬ラッシー」などのアメリカ産のテレビ番組では、日曜日に教会へ行くシーンが頻繁に登場していた。

 少年(わたし)にとってアメリカは憧れ、かっこいいものだった。で、当然のように、教会も素敵な場所、外国っぽいところ、と勝手に思いこんでいた。

 もちろん、宗教的なことはなにも知らない。プロテスタントやらカトリックなどキリスト教にも色々あることも知らなかった。

 教会はその外観(だけ)でかっこよさのランクをつけていた。要するに西洋っぽい造りが上位に位置することになる。

 日曜日やら、クリスマスなど教会へ行ってみたかった。だが、さすがに行けなかった。ときおり開かれる、バザーにも入り込めなかった(もっとも、これはお金を使うのがもったいない、と言う気持ちのほうが強かったように思われる)。

 まあ、ともあれ、あこがれてはいたけれど、とうとう教会に行くことはできなかった。アメリカに近づくことはできなかった。まあ、今になってみれば、どうでもいいことかもしれないが。