ジャズ喫茶

 ジャズ喫茶もめっきり少なくなったようです。

 横浜野毛の千草のような名店はともかくとして、もう少しグレードの低い(と言っては失礼ですね。要するに素人でも気軽に入りやすい)店はちょくちょく利用していました。

 そう、〝利用〟していたのです。ジャズを聴くというのは二の次、三の次にして。つまり、まったく気兼ねなく長時間いられる場所として利用していました。本を読んだり、書き物をしたり、ただただぼんやりしたり。

 BGMとしてのジャズも好いものです。などと言っては、音楽を聴きに来たひとに対して不謹慎かもしれませんが。でも、本当はそんなことまったく気にはしていません。それくらいの不干渉地帯なんですね、ジャズ喫茶は。

 つまり、非常に居心地の良い空間であったということです。そんな、ひとのよい店だったので、世知辛い世の中、どんどん閉店に追いやられてしまったのでしょうか。ほんの少し、責任を感じています。