2011-01-01から1年間の記事一覧

店に入る挨拶

昔は住宅兼店舗は当たり前だった。で、混雑する時間帯以外は、店に人が居ないことも珍しくはなかった。 そんなときどうするか。なんと言って店に入り、店番のひとを呼び出すか。 小学校低学年までいた足立区千住では「ちょーだい」と言うのが普通だった。〝…

ラジオ

昭和の画期的できごとのひとつはテレビの登場であるが、テレビが普及する前の家庭の娯楽の主役はラジオだった。 ラジオはテレビが普及しても放送を続けているが、わたしにとってはテレビの普及と同時にしばらく縁が切れてしまった。 縁が切れる前はどんな番…

なつかしくない昭和——紙芝居

昭和といえばこれ、といった感じで語られる事柄のうち、まったくといってよいほど経験していないことがある。定型、定番、ステレオタイプの私的欠損である。 欠けている対象としては、〝遊び〟が多い。ベーゴマ、凧揚げ、メンコ、竹馬などについては以前に書…

油引き——昭和の匂い

学校の床の話です。床はもちろん木製。その木の床に油をしみこませてある。おそらくはモップかなにかで定期的に、ワックス掛けならぬ油掛けをしていたのだろう。 なんのために? いまだに良くわからない。 油によって床が長持ちするのだろうか? 水分をはじ…

牛乳配達・牛乳ドロボウ・昭和の音

牛乳がビンに入っていたころ、牛乳屋(さん)という店があり、牛乳はそこで売られていた。一軒の牛乳屋さんは、森永、明治、名糖といったメーカーのどこか一社だけの製品を扱っていた。森永の牛乳屋さん、明治の牛乳屋さん、名糖の牛乳屋さんなど、がそれぞ…

収集家

近ごろ、観光みやげの絵はがきやペナント(三角形の旗)を集めているひとっているのだろうか? かつてわたしは集めていた。いもまどこかに残っているはずだ。同行の趣味のひとも少なからずいた。ところが、最近こんな趣味のことはとんと耳にしない。なにが変…

懐中電池・電信柱

先の大震災に続く停電。なんのことかはわかるが、考えてみれば変な名前をよく耳にした。言っているのはかなり年配のかた。そういえば、昭和のころは普通に耳にした。 それは〝懐中電池〟。なんだかわかりますよね。そうです。〝懐中電灯〟の言い間違えです。…

昔ながらの喫茶店

タイトルに〝昔ながら〟と書いてしまってから、なにが〝昔〟なのかわからなくなってしまった。 高校生までは喫茶店に出入りすることはなかった。喫茶店に入るようになったのは大学生のころからである。したがって、このブログで取り上げる〝昭和〟よりは少し…

消えた商売

以前とりあげたくずやさん/ばたやさんのほかにも、今となってはほとんど見かけることの無くなった商売がある。 押し売り。歓迎されざる商売だがごく普通に存在した。漫画や落語のマクラにもちょくちょく登場した。訪問販売の走りともいえようか。 売るのは…

対抗商品

1月3日にキャラメル、チョコレートそしてガムの対抗商品のことをかいた。それらは、勢力が均衡していた商品だった。今回は、一つがやや抜け出ているのもについて。 サイダー。アサヒの三ツ矢サイダーですね。サッポロはリボンシトロンを出すが、リボンシリ…

映画鑑賞

小学生のころ、〝映画鑑賞〟なるものが年に数回あった。 一学年がそろって街中の映画館へ行きそこで映画を観て帰ってくる。観る映画はそのときにかかっているものではない。映画鑑賞のために特別にその時間だけ映される。 映画館も何かと気を遣っていたよう…

身近な死

こういうときにこういうことを考えるのは不謹慎かもしれない。でも、考えてしまった。 それは、かつてはいまよりも「死」が身近にあったような気がすること。 かつては、ちょくちょく死の報を耳にした。葬儀に参列することも今より多かったように思われる。…

マッチ

地震による停電で蝋燭に火をつけようとして気がついた(本当は地震のときには蝋燭を使わないほうが良いと思うのだが、離れるときは必ず火を消すことを条件として点火した)。そういえば最近マッチを見ることが少なくなった。我が家には仏壇用として何箱か蓄…

胸ポケットに萬年筆

今年も早いもので既に三月。もう少しで四月になってしまう。四月といえば入学シーズン。新入生には入学祝い。かつてのお祝いの二大定番といえば、萬年筆と腕時計。どちらも安いものではない。 さてその萬年筆だが、当時は誇らしげに上着の胸ポケットの指すひ…

ラムネ菓子

昭和を語る際に必ずといって良いほど登場するものに一つにラムネである。ビー玉を栓の代わりにつかった独特の試用の瓶に入った炭酸飲料である。ラムネというのがそんなになつかしいものなのかどうか、若干疑問がなくもないがいまは不問とする。 で、今回取り…

しもやけ

先週はこの冬初めて積雪を見た。それで思い出したのが、子どものころのしもやけ。 冬になると必ずしもやけに悩まされた。 まずは足の指。外側(小指側)の指から順にしもやけになり、内側(親指)から順に直っていく。小指が最初から最後までつづく。赤く腫…

相撲

相撲の八百長問題が話題になっているが、それはさておいて、かつての相撲を思い出した。 栃若の時代である。栃錦と若乃花(初代)の時代である。若乃花のほうが若干強く人気も上回っていたようだ。ということは、そう、判官贔屓のわたくしめは栃錦のファンで…

サロメチール

どこからかメントールの匂いが漂ってきた。それで思い出したのがサロメチール。ちょっと時期はずれの話題ではあるが。 かつての運動会に徒競走という種目があった。〝徒競走〟の命名の由来は知らないが、一般的な言い方をすれば短距離走である。気になる個人…

電気こたつ

前話で昔の暖房として電気炬燵については触れなかった。忘れていたわけではない。寒さに震えていた子どものころには、電気炬燵はまだ普及していなかった。 しばらくして登場するとあっという間に普及してしまった。そりゃそうだろう。火鉢に比べれて圧倒的に…

寒さ厳しき折

この冬もだんだんと寒さが増してきた。 が、確かに寒いけれど、昨シーズンのほうがもっと寒かったような気がする。さらにさかのぼれば、昭和の冬はもっともっと寒かった。 昭和の寒さに比べれば、いまの寒さなどぐんと楽な気がする。子どものころは、連日霜…

道草

唐突だがいまの子どもたちって学校の帰りに道草をしているだろうか。おそらくしていないだろう。 世の中が物騒なころ(いまもそうかも)、集団下校というのが導入された。これでは道草どころではない。 あるいは、習い事やらなんやらでさっさと帰らなければ…

お菓子

キャラメルは3社4品。もっとも当たり前なのは森永のミルクキャラメル。これに対するのが明治クリームキャラメル。わたしは、明治を贔屓にしていた。なんとなくおしとやかで上品な感じ。そのために満腹感というか充実感はやや希薄。3社目はグリコ。ただの…