しもやけ

 先週はこの冬初めて積雪を見た。それで思い出したのが、子どものころのしもやけ。

 冬になると必ずしもやけに悩まされた。

 まずは足の指。外側(小指側)の指から順にしもやけになり、内側(親指)から順に直っていく。小指が最初から最後までつづく。赤く腫れて倍くらいの太さになってしまう。

 つらいのはしもやけそのものではなく、痒さ。暖まって血が流れ始めると無性に痒くなってくる。こたつは試練である。入って暖まりたいが、暖まると痒くなる。寒いのも辛いし、痒いのも辛い。

 血が流れ始めるのは暖まったときだけではない。高校でサッカーをやっていたころ、スパイクを履いて走っていると当然血が動く。いや、この時点では痒さはあまり気にならない。問題はスパイクを脱いだとき。締め付けから解放されて一気に血が流れ始める。この痒さはしもやけ史上最大。しかも、しびれを伴うことも多い。通学用の運動靴に履きかえることができない。

 足の指の他に、わたしの特徴なのだが、耳たぶにもしもやけができた。まあ、耳はあまり温まることがないので痒さは足ほどではなかった。が、耳は耳なりの問題がある。手でいじれるのだ。しもやけにかかると耳たぶもまた腫れ上がり、真っ赤になる。そのうち切れて血が出る。するとかさぶたができる。気がつくとそのかさぶたを剥がそうとして手を動かしている。かさぶたを剥がせば血が出て、またかさぶたができる。この堂々巡りを冬の間中繰り返す。治りかけは、足指同様痒くなり、たまらずにかきむしって血を流し、またかさぶたをつくってしまう。

 毎年、悩まされていたしもやけだが、いつのまにかできなくなった。おとなになって血の巡りがよくなったからだろか? それとも栄養状態が良くなったから? あるいは、暖房が行き渡って、身辺があたたかくなったから?

 これから先、老い衰えるとまた、血の巡りが悪くなり、しもやけが復活するのだろうか。あー、やだやだ。