24000回のキッス

 24000回のキッスという唄があった。当時は洋物カバーの時代、ザ・ピーナッツやら三人娘(中尾ミエ伊東ゆかり、園まり)やら、スリーファンキーズやら鈴木やすしやらたくさんの歌手が唄っていた。

 この唄でものすごく気になることがあった。歌詞に〝1秒ごとのキッスを一日続けると二万四千回〟になるとあるのだが、どういう計算をすればそうなるのだろうか? 二万四千というのは、一日二十四時間から来ているのだろうが、24を千倍するのはどうして?

 普通に計算してみよう。

 〝1秒ごと〟というのがわかりづらいのだが、1秒間キッスして、1秒休んで、またキッス、ということであろうか。

 だとすれば、2秒に1回、ということは1分間に30回。で、1時間では30x60で1800回。これを24倍すると、四万三千二百回ということになる。合いませんねえ。

 ということは、〝1秒ごと〟の解釈が違っているのでしょう。では、逆算してみましょう。

 一日に二万四千回だから、一時間では、これを24で割ると千回。一分ではさらに60で割って、うーん、割り切れない、16.6666・・。

 見方を変えて、一回のキッスと休憩あわせた秒数を求めてみよう。一日は二十四時間、一時間は六十分、一分は六十秒だから、一日は24x60x60で86,400秒。これを二万四千で割ると、3.6。ということは、1秒間キッスして、2.6秒休んでまたキッス。というペースなのですね。ぴったり合わせるのが難しそう。そうまでして、どうして二万四千にこだわるのでしょうか?

 もしかしたら・・・・、

 1日は24時間、1時間は100分、1分は10秒として計算したのだろうか? そうだとすれば、1日は二万四千秒。1秒キスして、やすまずにまた1秒キッス。これを繰り返せば二万四千回になる。ちょっと大変だけど。

 でも、これはちょっとこじつけが過ぎるようだ。

 そういえば、365歩のマーチという唄もある。これもわかるようでわからない。

 1日1歩、3日で3歩というのはその通り。だから1年で365歩も問題ない。問題は、3日で3歩のあと。3歩歩いて2歩下がる。というではないか。これだと5日で1歩しか進めない。一年では、365を5で割って73歩となってしまう。ただしくは73歩のマーチ? いやいや、前進も後退も1歩は1歩。ということであれば問題ないが。

 果たして、作詞者はどんな計算をしたことやら。真相を知りたい。