ラジオ体操

 いまもむかしも変わらぬ夏(休み)の風物詩のひとつにラジオ体操がある。

 〝変わらぬ〟と書いたが、様相は少し変わっているようだ。

 わが地域固有のことかもしれないが、ラジオ体操の実施期間が短くなった。むかしは休みのあいだ中ずっとあって、お盆の頃だけが休みだったように覚えている。ところがいまは夏休み最後の一週間だけである。

 実施してもなかなか子どもが集まらないこと。長い期間やっているとだれてしまってますます参加率が落ちてしまうことも短期化の理由のひとつだろう。一週間だけなら好奇心も手伝って参加するだろう。

 親の負担もある。いまの時代、親が面倒みすぎというか、子ども達だけではなかなか実行できない。また子ども達だけでやって事故があった場合の責任やらなんやらややこしいこともある。なので親が出てくる。ところが専業主婦が減っている世の中、毎日出てくるのは大変だ。一週間だけなら、みんなでやりくりして何とかなるだろう。

 と言ったところだろうか。

 ところで、むかしはどうやって音楽を流していたのだろうか。ラジカセはまだ存在しない。オープンリールのデッキは高価。なので録音ではなく、音源は生放送だろう。とうことでラジオだとして、その電源は? 電池でそこそこの音量のあるラジオは当時あっただろうか? それとも近くの家庭で電源を借用? 後者のような気もするがはたして真相やいかに。

 今や当たり前になっていることが、工夫や協力しなければ実行できない時代だった。かえってそれがよかったのかもしれないが。