正月

 正月の光景も当然ながら変わってきた。

 テレビ。

 大晦日は、レコード大賞を見て、あわててチャンネルを切り替えて紅白、そのまま行く年来る年がはじまり、十二時に服部時計店屋上でダークダックスの蛍の光。年が明ければ、井上順とか吉村真里といっためでたさを感じさせる司会陣がもてはやされる。いまは、番組そのものがなくなってしまったり、さほど万全ではなかったりで、これで決まり、というほどではなくなってしまった。

 町の光景。

 獅子舞は消えてしまった。

 たこ揚げする子はちらほらといるが、大概は親と一緒。こども同士であげることはほとんど無い。というより正月は友達ではなく親と過ごすように変わってしまったのかも。

 コマ回し、羽根つきも見かけない。というよりこの二つは昭和のころもさほど盛んではなかったような気がする。ベーゴマが流行っていたのであえてコマ回しをしようとは思わない。羽根つきは思ったほど簡単ではない。顔に塗ろうにも身近に墨がない。でも、羽子板はどこにでもあった。なので、ここでは昭和とのちがいは羽子板が減ったくらいだろうか。

 ほとんどの店が休みだった。年末は買いだめに気を使った。特に医薬品のストックには気を使った。いまは、三が日でも開いている店が多く、買いだめの必要も無くなってきた。

 この先、さらにどう変わっていくのか。ちょっと見当がつかない。