宇宙開発

 ソ連アメリカが競っていたが、人工衛星に犬が乗ったのも、人が乗ったのもソ連のほうが早かった。

 ソ連は秘密主義で成功した事例しか公表していない。成功例の前にたくさんの犬や人が失敗して死んでいる可能性が高い。失敗しても秘密なんだから、確立がさほど高くなくても踏み切ることができる。なので、たまたまうまくいくこともあり得る。だから、(安全性や確立を踏まえた)真の技術力でアメリカがソ連に劣っていることにはならない。

 そんな噂もまことしやかにささやかれていた。こんな噂はだれがなんのために流していたのだろうか。また、信憑性やいかに。インターネットなど影も形もない、情報という面では、のんびりした時代であった。もっとも情報が行き渡らないということは、誰かが操作できるということでもあるのだが。