ダークダックス

 ダークダックスのゲタさんがお亡くなりになりました。少し前にパクさんが亡くなり、そのしばらく前からマンガさんが隠遁してしまいました。ひとつの時代、これもまた昭和の時代が終わった感がします。

 ダークダックスは昭和の優等生でしょう。山の歌やロシア民謡を率先して広めていきました。優等生が導くのだから、山登りは健全なスポーツ、ロシアじゃなくてソ連はよい国という印象も広めていきました。

 いえ、わたし自身はロシア民謡ソ連とは結び付きませんでした。が、ロシア民謡という素晴らしい音楽を持つ国をソ連と結び付けるひとは少なくなかったと思います。なにしろ、ソ連赤軍合唱団がロシア民謡の第一人者であったりもしましたから。

 山登りというとほこりっぽさとすのがまず先に立ってしまい、それほど素晴らしいことだとは思いませんでした。が、さっぱりした気性で、協調性のある好青年というのが一般的な山男のイメージとなっていたようです。

 昭和の時代に流行った歌声喫茶でも、山の歌とロシア民謡は大きな柱となっていました。

 そのイメージを植え付けるの貢献したのがダークダックスだと言えるでしょう。きちんとした音楽を愉しく歌う、さわやかな男性四人。四人とも慶応大学出身。身元正しき男性ですね。逆にダークダックスによって慶応大学のイメージも作られていきました。

 すべてが、期待される姿、健全なる姿でした。その象徴たるダークダックスのメンバーが徐々に減っていき、さて、健全さの評価も低くなっていってしまうのでしょうか。