マッチ
昭和の時代、火をつけるのにはもっぱらマッチを使った。例外は煙草で、これはライターを使う人もたくさんいた。が、とりあえずはマッチである。
マッチは日常世界でごく当たり前に存在していた。大きさの例えにも使われた。飲食店などでも、お土産というか記念というか、その店のマッチを持ち帰れるところが多々あった。そのため、凝ったデザインのマッチ箱もあった。そんなマッチ箱(のラベル)を集める趣味を持つ人もたくさんいた。
とにかく常日頃たくさん使われるので徳用マッチというマッチがたくさん入ったマッチ箱も売られていた。そのデザインに懐かしさを覚える人もたくさんいることだろう。
便そのものを検査する検便の、提出用の容器としてももっぱらマッチ箱が使われた。
そのマッチが徐々に使われなくなってきた。
煙草に火をつけるのにはもっぱらライターが使われる。それも、廉価な使い捨てライターが広く使われるようになった。
ガスコンロの多くは電熱ヒーターやガスを圧縮することによって着火するものがほとんどとなってきた。そういう仕組みが組み込まれていないものでも、着火用の器具、使い捨てライターを大きくしたような器具で着火するようになってきた。ガスの風呂釜や湯沸かし器、ガスストーブ、石油ストーブもしかり。
便そのものを提出するような検便方法ももやはなくなってしまった。なのでマッチ箱がなくても差し支えはない。
小学校の理科の実験は、マッチでアルコールランプに火をつけることからはじまったが、いまはどうなっているのだろうか。着火器具を使っているのだろうな、多分。
マッチを擦ることができるのは、何歳以上なのだろうか。