グローブをバットにさして
近ごろ、グローブをさしたバットを肩に担いで歩く少年を見かけなくなった。
ランニングシャツに半ズボン、アサヒとか月星、世界長のズックを履いて、グローブをさしたバットを肩に担いで歩くのはごく当たり前の光景だった。そんなかっこうで子ども同士連れだって近くの空き地へ行って遊んだ。
そんな子ども達をまったく見なくなってしまった。遊びが多様化し、野球をやる子どもが減っていることは確かだが、それでもそれなりの数の子ども達が野球をやっていることも確かである。野球をやりに行く子ども達もよく目にする。
目にはするけれど先に書いたようなかっこうの子どもはまずいない。
まずはランニングシャツに半ズボン。たいていの子ども達はユニフォームを着ています。上にウィンドブレーカーを羽織ったりもしています。靴はアディダス、ナイキなどスポーツ用品メーカーの色とりどりのスニーカー。
そしてバットにグラブ(グローブからグラブに変わっている)。グラブはエナメル光沢のスポーツバッグにいれ、バットはビニール製のバットケースにいれている。どちらも剥き出しではない。
さらに違うのは必ず大人が引率していること。車に乗せていることも少なくない。
行き先は学校や専用のグラウンド。
要するに、野球は遊びではなく、管理され統一された集団行動なのですね。グラブをバットに突き刺したりしたら、道具を大切にしろとしかられるだろう。
規律はあるけれど自由度が少ない。といっては言い過ぎだろうか。