トレパン

 かつては定番であったのに最近すっかり影を潜めてしまったもののひとつにトレパンがある。

 体操服の今昔を語るとまっ先に出てくるのは提灯ブルマーであるが、男子としてはトレパンの衰退も見過ごせない。

 その前に、ご存じないかたのために。トレパンというのは体操用の長ズボン。生地は普通の木綿、特に伸縮性はない。腰は丸ゴムでとまる。前はファスナーではなく多分ボタン。ただし、これは記憶があやふや。形はストレートでぴっちりアイロンをかけても様になる。色は純白。これがポイントであろう。

 子ども達は寒い時期にこれを着用した。ただし、冬でも短パンの子どももいてわたしもそのひとり。ということで実は私自身はトレパンを持っていなかった。

 で、トレパンの一番の印象は運動会。男の先生の大半は糊がきき、アイロンのかかった真っ白なトレパンを履いていた。それが没個性、横並び風潮が残っていた当時の映像として脳裏に焼き付いている。