立ちション、連れション

 めっきり見かけなくなった光景のひとつに立ちション、連れションがある。

 念のため、立ちションとは、道端などの野外つまりトイレではないところでオシッコをすること。立ちションには連鎖作用がある。連れションとは二人以上並んで立ちションをすることである。

 酒を飲んだ後など、店を出ると急に尿意を催し、電信柱などにむかって立ちションと相成る。連鎖作用があるからして、ひとりがすると、連れも並んではじめる。飲み屋のはたには立ちションに適した場所があるのが普通だった。

 立ちションはされるほうにとっては迷惑なものである。飲み屋の近くなどの立ちションに適した場所には、よく鳥居のマークが描かれている。鳥居は立ちション禁止の暗黙のしるしである。神さまにオシッコをかけることはできないだろう、そんなことしたらオチンチン曲がっちゃうよ。あれ、曲がっちゃうのはミミズに引っかけたときだったかな?

 この立ちション、連れションもとんと見かけなくなった。マナーが向上したのだろうか。それもあるだろう。だけどそれだけではない。飲み屋が男子専用ではなく、女子もまたお酒を飲むようになり、飲み屋は男子専用ではなくなってしまった。飲み屋をでたところには女子もいる。さすがに女子の前でオシッコをするのは恥ずかしい。そう思う草食系男子が増えた結果、立ちションが減ったということもある。

 要因はともかく、立ちションが減ったのは環境的には良いことである、多分。