山と海

 かつては健全な若者は山へ行き、少しいかれた若者は海で遊ぶ、といったイメージがあった(ような気がする)。

 山は真面目で、海はイカレポンチ。山は質実剛健、海は軟弱。山は規律正しき集団行動で、海は自由奔放な個人主義。山はダークダックス、海は裕次郎、川路民夫。そんな、イメージ。

 その後の変化は……。

 山はなぜか衰退。どこか優しいトレッキングとか山ガールの世界へと変容し、かつての質実剛健のイメージからは遠くなる。

 海には、加山雄三サザンオールスターズが現れ、不良のイメージが薄れ、伸び伸びした若者の世界へと転じていく。

 気がつかなければ気がつかないが、気がつけばずいぶんと変わったものだ。