はなかみ
教科書、ノート、筆記用具などとならんで小学生の必携の品にハンカチ、はなかみがあった。
このはなかみ、いまではポケットティッシュという便利なものがあるが、当時は単なる紙であった。これを何枚か重ね、折り畳んでポケットに入れる。
ポケットの中で擦れてすぐにボロボロになってしまう。ポケットの中も屑だらけになってしまう。
いざ使おうとしても、折り畳んだものを広げ、一枚づつ引きはがすことはそう簡単なことではない。
ポケットに入れたはなかみを使い切ることも滅多にない。ときどき点検して、ボロボロになったものを捨て、新品に取り替えるのが普通だった。捨てるとはいっても大した量ではないかもしれないが、今で言うエコとは縁遠い行為であった。
ところで〝はなかみ〟ってなに? 洟(鼻)をかむ? 洟(鼻)紙? 花紙? そういえば、別名の〝ちりがみ〟というのもわからない。塵紙なの?
それはさておき。そういう観点からすればポケットティッシュというのは画期的な品である。ボロボロになるのを防止し、かつ一枚ずつ簡単に取り出すことができる。
もっともビニールカバーや折りたたむ工程なども含めると、本当にエコなのかどうか、資源の保護に繋がっているのかどうかは疑わしいところではある。