あやしげな看板。

 昭和の町を歩くと、当時でもちょっと違和感を感じる看板を見かけた。「ちちもみ」「ほねつぎ」「ぢ」などなど。「おとこの教室」などというのもあった。

 「ちちもみ」は「乳揉み」。エロいことをしようというのではない。子どもを産んだ母親の母乳がでるように乳房をマッサージすることである。

 「ほねつぎ」は「骨継ぎ」。骨折を治すお仕事。整骨医ですかね。あるいは整体士かも。

 「ぢ」は「痔」ですね。肛門科のお医者さんですね。

 どれも真っ当なお仕事ですが、表現がなんともストレート、露骨で生生しい。正規の医療系ではないのかも。

 そうそう最後の「おとこの教室」。これはわたしの読み間違い。もっとも、読み間違いをしていたひとは少なくはなさそう。意識的に読み間違いを狙った感さえある。一字一字読み直すと正しくは「おことの教室」、琴の先生でした。漢字で書いたほうが誤解がないんだけど……、なぜみんな平仮名で? やっぱり、意識的な誤読狙いかなあ。