車中の読書

 電車の中、今も昔も居眠りしているひとは多いが、本や新聞を読むひとの数は大いに変わってきた。

 昭和の時代は車内で本や新聞を読んでいるひとがかなりいた。週刊誌、文庫・新書、単行本、漫画週刊誌など様々な種類の本が読まれていた。あるいは日刊紙やスポーツ新聞などもよく読まれていた。超満員電車のなかでも、小さく折り畳んだ新聞を器用にめくる名人芸にもよく出くわした。

 転じていまはどうだろうか。居眠り組以外の多くがスマホ、形態を手にしている。ゲームをやっている人、ラインやらツイッターを見たり書いたりしている人、単に音楽を聴いている人。やっていることは様々だが皆がみな、スマホや携帯の画面を見つめている。本や新聞を手にするひとはあまりいない。場外馬券場の近くではスポーツ新聞に見いっているひともいるが、時と場合による例外だろう。

 良し悪しは別としてそういう時代へと変わっていっているようだ。