家族会議

 民主主義が広まった昭和の時代、家族会議というものも広まった。と、いうことになっている。

 テレビドラマや小説などで家族会議のシーンが現れる。親子、兄弟といった関係を離れて全員が対等な身分として発言し多数決で解決する会議である。

 だけど、本当にこんなことやっていたのだろうか。わたし自身はまったく経験していない。そんなことわざとらしくてできやしない。また、身近な人に尋ねてもいまのところ経験者に出会ったことはない。

 もしかしたら民主主義というものを広めるために、民主主義の実現形態のひとつとしてまつりあげられた事象なのかもしれない。まつりあげた事象、つまり無かったことを、一般化していたかのようにでっち上げたものなのかもしれない。そんな気がする。