家事手伝い
昭和の時代、履歴書や肩書きの職業として、家事手伝いというのがありました。堂々とそう記していました。
家事手伝いというのは、家事代行業のことではありません。家のひとに代わって掃除や洗濯、料理をして、代金を貰う職業ではありません。
そうではなく、卒業後などに仕事に就かず、家にいる女性をそう呼んでいました。実際に家事を手伝うかどうかは別として、仕事に就かずに家にいる女性の職業(?)をそう呼んでいました。
そして、家事手伝いだからといって、仕事に就けないとは見なしませんでした。逆に、仕事しなくても(家が豊かで)生活できるひと、すなわち上流階級の子女とみなされることさえありました。
女性でも仕事に就くのが当たり前となってしまったいまの世の中、仕事をしないのは怠け者、あるいはなにか問題があって雇って貰えないひとといったマイナーな評価になってしまいがちです。
そう思うと、家事手伝いと堂々と言える時代も悪くなかったように感じられてきます。