アイドリング・ストップ

 アイドリング・ストップという呼びかけをよく耳にする。自動車の運転に関するようだが、なにをしたらよいのかよくわからない。

 アイドリング(エンジンを空ぶかし)しながら車を止めるということなのか? そんなことで着るの? そんなことしてなんになるの?

 と、ちょいとかまととぶってみました。むろん、意図するところは知っています。停車したらエンジンも止める、ということです。これはエンジンのためではなく、ガソリン節約とCO2削減のためだとか。

 といっても、アイドリング・ストップという表現は、そんな意味にはならないと思うので、ちょいと嫌みをば。

 現代の自動車運転では停車したらエンジンを切ることを推奨されています。目的は先述の通りですが、エンジンを切ってもすぐにリスタートできるということが前提になっています。

 ということをふまえて昭和の話です。昭和の自動車はエンジンを掛けるのにときおり苦労していました。キーをまわしてもセルモータがからからいうだけでエンジンがかからない。そんなことを繰り返しているうちに、あるいはライトを点灯したままほっておいたためにバッテリーが空になってしまって、セルモータが回らなくなってしまう。そんなことがしょっちゅうありました。

 こんな状態に陥ってしまったときによく見かけるのが押しがけです。車をひとが押して走らせ、車輪の回転をエンジンに伝えてエンジンを起動します。運良く坂道で止まっていた場合は、坂を転がり折りながら車輪を回してエンジンを起動します。

 それでも駄目な場合は、クランクシャフト(鉄棒)をエンジンの先端にはめ、これを回してエンジンを起動します。

 余談ですが、初期の自動車はこんな風に誰かの手を借りなければ運転できない事態が多々ありました。そのために、運転を手助けするひと、すなわち助手を隣に座らせていました。それで、運転席の隣を助手席と呼んでいたそうです。助手席、いまでは死語ですね。