茶こしで紅茶を

 昭和の時代、紅茶もよく飲まれていた。しかも、リプトンの青缶や国産の日東紅茶など、最初から茶葉を使っていた。

 というよりも、手軽なティーバックが現れるのはもう少しあとのこと、当時は茶葉をそのまま使うしか術がなかった。

 でその茶葉をどうしていたか。日本茶のように急須や土瓶でいれればよかった。が、そうはしなかった。

 紅茶とともに普及したのが茶こし、ティーストレーナである。が、この使いかたを間違っていた。

 ポットに茶葉をいれ、そこにお湯を注いぐ。しばらくしたらカップの上に茶こしを置いてここに注ぐ。ポットから出た茶葉は茶こしで止まり、カップには液体だけが入る。こうするのが本来の入れかただ。

 が、当時はそうはしなかった。茶こしに茶葉をいれ、それをカップの上に掛け、そこにお湯を注いでいた。こうするのが普通だった。あろうことか喫茶店でも同じ方法でいれていた。

 だれがこんなやりかたを思いついたのだろうか。どうしてそれが普及したのだろうか。テレビのドラマかなにかで繰り返しやっていたのだろうな、多分。