子どもだけで遊んだ

 昔は子どもだけで遊んだ。当たり前のようだが、いまは必ずしもそうではないようだ。昔うんぬんよりも、いまの状況が問題のように思われる。

 いまどきの子ども達も昔と同じように野球やサッカーをして遊ぶ。だけど、その野球やサッカーは概ね正規のルールに準じて行われる。昔のようにその場の状況に応じてルールを変えてしまうようなことはほとんどやっていない。そして、ルール通りに運ぶために、審判がいないと遊べないような状況も発生している。子ども審判では公平性や威厳を欠くため、ときに大人がいないと遊べないようなことにもなってしまう。

 そんなこんなで、野球やサッカーはおとなが指導するチームでしかできなくなってくる。そして、野球をやる子どもは野球だけ、サッカーをやる子どもはサッカーだけ、ということになってしまう。野球チームに子とサッカーチームの子の交流すらもなくなってしまいかねない。

 そんなことでは融通や機転が利かない、創意工夫に乏しい人間ばかりになってしまはないだろうか。ちょっと心配だ。

 おとなに手伝って貰わないと遊べない子どもたち。本来、遊びは子どもたちの仕事ではなかったのか。