海パン

 男子用海水パンツ、水泳用水着である。

 ファッションの流れ同様、これも色々と変化してきた。

 比較的ピッタリした半ズボンタイプ、小さなビキニタイプ、ややぶかぶかな半ズボンタイプ、かなり長めの半ズボンタイプ、上半身のついた繋ぎタイプ。ピッタリした半ズボンタイプ。その他、いろいろあった。そして、どれか一つというわけでなく多様化してきた。

 さて昭和の海パンである。ふんどしの人もまだいたようだが、これは除く。

 色は濃紺、ほぼこれ一色。形は概ねブリーフタイプ。トランクスタイプもちらほら。そしてなんといってもベルト。概ねビニール製。目立つ白色も少なくなかった。

 ベルトが必要な理由は、おそらくは脱落防止。当時の素材の伸縮性は乏しかった。なのでからだにピッタリとは貼り付かない。するりと脱げ落ちる可能性は大である。脱げないための紐はついていた。これを締めておけば大丈夫だと思うのだが、念のためのベルトがないと安心できなかったのだろう。

 そして飾りでもあったのだろう。部位分と目立ち、またセンスのない飾りではあったが。

 まあ、なにはともあれ、奇妙なファッションだった。