正月のお店

 新年も松の内(関東)が過ぎ、小正月ももうすぐである。

 お正月は街のお店はみな休みだった。すくなくとも三が日は休み、四日の初荷を持って初仕事とするのが最速だった。

 いまはどうだろう。営業時間が若干短くなる程度で正月から営業しているところが多くなっている。さすがに、個人商店は休みのところが多いようだが、大型店舗は軒並み元旦から営業している。

 昔は、店の休みを見込んで、年末に色々と買いだめしていた。たべものや薬などには気を使っていた。切らしては困る日用品があれば、普段は使わなくとも咄嗟の場合にないと大変なことになる薬などもあった。

 いまは、店が開いているので必要になってから買いに行くことができるようになった。便利と言えば、便利な世の中になったが、正月のハレ度合いが大いに減少してしまったように思われる。正月が特別なときでなくなり、その厳かさも消えてしまった。

 さらには、このような状況では、正月から仕事をするひとも増えている。正月でにぎわうところ、正月がかき入れ時のところならともかく、普通のお店などで元旦から仕事をするのはどんな気持ちなのだろう?

 便利さとひきかえに、なにか大きなものがなくなっていくような気がするのだが……。