正月の街角

 昭和のころの正月に街角で見かける光景と言えば躊躇なく、凧揚げ、羽根つき、コマ回し、獅子舞があげらる。ほんとかな?

 凧揚げ。確かにこれはありました。竹ひごと半紙でつくった凧に新聞紙を切った尻尾をつくって揚げていました。「龍」と書かれた凧が一番多かったような気もします。凧は今でも揚げられていますが、凧が変わってしまいました。昭和の凧は先に書いたような和凧でしたが、いまの凧はなんとかカイトという洋凧。ビニール製の三角形。昔の凧は揚げるのが難しかったけれど、いまの凧は労せずに揚がるようです。

 羽根つき。羽子板はおなじみの品ですが、それを使っての羽根つきはむかしもあまり見かけませんでした。実際に試してみたこともありますが、かなり難しいものです。バドミントンのようにはいきません。また、負けたら顔に墨を塗られることになっていたようですが、これも実際に見たことはありません。漫画やコメディでは定番になっていましたが。

 コマまわしもやっているようで案外やっていなかったのではないでしょうか。木製の大きなコマではなく、正月でも鋳物のベーゴマだったのかもしれません。わたしはケチな性分で取ったり取られたりのベーゴマには手を出せませんでしたが。

 獅子舞。これは間違いなくありました。笛・太鼓を伴った獅子舞がやってきて、ご祝儀を渡すまで玄関の前で踊っていました。いまは見かけませんね。集合住宅ではむずかしいでしょうね。かといって、道路で舞えばクラクションを鳴らされそうだし。

 形を変え続いているもの、なくなってしまったもの、当時もあったかどうかわからないもの。さまざまですね。