歯磨き粉
いまの歯磨き剤はほとんどチューブに入った練り歯磨きであろう。昭和の時代には歯磨き粉も幅をきかせていた。粉末の歯磨き剤である。缶入りで、水に濡らした歯ブラシをつっこんで穂先につける。缶の中はそのうちに水がたまってグシュグシュになってしまったりもする。
愛煙家のためのヤニとり歯磨きとして、ザクトライオンの商品名で売られた製品が、最後の売れ筋歯磨き粉だったように覚えている。
この歯磨き粉は歯を磨く以外にも使い道があったようだ。強力な洗剤としても使われた。汚れのひどい箇所に直接すりこむとよいようなこともよく言われていた。
洗剤としてのほかに、わたしはつや消しのペンキをつくるのに使ったこともある。普通のペンキに歯磨き粉を混ぜるとつやがなくなり光らなくなった。拾ってきたヘルメットをつや消しの黒に塗り替えたこともしばしば。黒ヘルがなにかはここでは触れない。
歯磨き剤としては練り歯磨きに圧倒されてしまったが、洗剤やつや消し剤としての歯磨き粉にとって代わったのはなんだろうか?