ダブルヘッダー

 昭和のプロ野球にはダブルヘッダーなるものがあった。
 
 ダブルヘッダーというのは一日に二試合することを指している。なにがヘッドなのかわからないが……。和製英語かもしれませんが。

 ふつうは同一チームと二試合するのだが、ときには変則ダブルヘッダーなるものもあった。これは一方のチームが別々のチームと二試合することである。A対BのあとA対Cの試合を行う場合、Aチームのスケジュールを変則ダブルヘッダーといった。

 ドーム球場のない時代、雨が降れば試合は中止。予定を消化するためには、こんな無理も必要とされていた。

 おそらく一試合分の料金で二試合見ることができたのだろう。お客にとってはお得だったかもしれない。いやいや、いまよりも試合時間が長かった時代だ。二試合も見るのは苦痛だったかもしれない。

 ダブルヘッダーはいいとして、変則ダブルヘッダーのほうははなはだ不公平なように思われる。が、とくにだれも文句を言わなかった。そういう日程をこなしていくのも監督の技量のひとつと思われていた。そう、野村監督はそれがうまいようなことも言われていた。

 滅茶苦茶なのか、大らかなのか良くわからない時代だった。