荷造り

 昭和の梱包は木箱だった。蜜柑も林檎も木箱にいれて輸送されていた。

 なので、木製の蜜柑箱、林檎箱があった。蜜柑箱をひっくり返して、テーブルや勉強机にすることも珍しいことではなかった。

 なにかを送る時は、この蜜柑箱や林檎箱につめ、籾殻や丸めた新聞紙を間に詰めた。輸送業者は、もっぱら日本通運

 とどいた荷物を開梱するための、釘抜きは家庭の必須品のひとつだった。ちょっとした木片が必要な時には、この蜜柑箱、林檎箱を分解した。

 やがて、段ボールにひもかけで送ることができるようになった。輸送時の手荒さが減少したのだろう。

 クロネコヤマトなどの宅配便がはじまると、このひもかけも不要となった。扱いがかなり丁寧になったのだろう。