殺虫剤

 殺虫剤といってよいかどうかはおいといて、

 昭和の時代は、まずは蚊取り線香

 ベタベタ粘着テープのはえ取り紙。ハエがいっぱいくっついていて汚らしい見栄え。ときには人間もくっつきました。

 ガラス製のはえ取り機。上部がロート状になっていてその下に長い管、一番下は球状になっていてそこに水をためる。天井にとまったハエにロートを被せる。ハエは天井から離れて飛ぼうとする。が、ロートで覆われているので飛ぶことができない。ハエというのは、どうやらホバリングができないようだ。ズルズルと管の中に落ちていき、最後は球の中で水死。捕獲率は高かったが、すぐに首が痛くなるのが難点なり。

 そして殺虫剤。今のようなスプレー缶ではない。タンクに液をいれ、レバーを押し込んで、霧状に吹き出すもの。

 よくよく考えたら、蚊取り線香を除いては、相手はハエだった。昭和の殺虫の対象は蚊よりもハエだった。汲み取り便所を上から除くとウジ虫が這っているのが見えるような環境だった。トイレで湧いたハエが飛び回るのだから、不衛生感が高く、目の敵にされていたのだろう。