ねずみ

 昭和の時代、家の中をねずみが走り回っていた。不意に廊下にでると、高速で壁を走るねずみに出くわした。天井裏からはねずみの足音が聞こえてきた。ドブや縁の下にもねずみがいた。

 金物屋ではねずみ取り器が売られていた。その罠にかかるねずみがいた。つかまえたねずみを持っていくとお金をくれる役場があった。

 そのねずみもだんだん減ってきた。餌が減ったわけではなさそうだし、捕獲性能が高まったわけでもなさそうなのに。建物の緊密度が高まったからなのかもしれない。

 かわってはびこったのがゴキブリ。薄っぺらいからだのゴキブリは、菌密度の増した建物でもそのスキマを通過できる。それが反映の要因か。そのゴキブリも近ごろずいぶんと減ってきたような気もするが、気のせいだろうか?