車内喫煙

 昔は電車の中で煙草を吸うことができた。山手線などでは無理だが、東海道線横須賀線などの中距離電車には灰皿がついていて喫煙可能だった。

 山手線は無理だといったが、深夜の電車では酔っぱらいなどが車内で吸っていた。灰皿がないので、吸い殻は床に落として靴でもみ消す。

 いつのころかその灰皿が撤去された。これは、健康のためというよりも、安全のためのようだった。特に、喫煙が禁止されたわけではなかったようだ。禁煙でもないのに灰皿がないのはかえって危険なような気もしたが。吸い殻を窓から捨てるひとも少なくなかった。これは危険だろう。火事の心配もあるし、線路付近にいるひとはやけどの心配もあった。

 しかし、どうしてだかわからないが、個々人のマナーは少しずつ良くなって、車内で煙草を吸うひとは激減した。禁煙のお達しがでたのは多分そのあとである。受動喫煙うんぬんのはなしがでだしたのもそのあとである。