セロテープ、マジック、ホッチキス

 子どもころ、突然目の前に現れた、これまでなかった文房具の新製品三つ。

 まずはセロテープ。それまで使っていたのはビニールテープ。黒がメインだった。それが、突然、透明のテープが現れたのだからびっくり、仰天、有頂天。透明のテープ。貼った下が見えるのだから百人力。これまで、のり付けしていたようなところにも進出していった。

 お次はマジックインク。これのすごいところは何にでも書けること、そして消えないこと、さらには太字でかけること、もひとつ言えば色が豊富なこと。大変重宝し、引っ張りだこ。それ以前にはどうしていたのか思い出せないほど。鉛筆と筆と万年筆? まったく出番が違いますね。

 最後はホッチキス。これもものを束ねるとことの概念を変えました。それまでは、穴をあけて紐で閉じるのが普通。紐のかわりにこよりをつかうこともあったようだが、材料が違うだけで大差はない。それが、小さな機械で挟んでガッチャンとすれば金属の針が閉じてくれる。あっという間です。はずすのも簡単。

 余談だが、わたしは親指の先の側にホッチキスの口を向けて使っていたが、いかにもやりなれている風のアメリカ人がこれを逆手、すなわち、親指の付け根側に口を向けて使っているのを見た時はちいさな驚きを感じた。これも文化の違いかと。

 セロテープ、マジックインク、ホッチキス。これ全部商品名ないしは会社名ですね。セロハンテープ、フェルトペン、ステプラーというのが一般的な名称のようです。