総理大臣

 今回は少々、昭和という範囲を逸脱します。

 ものごころついたときの総理大臣は岸信介だった。安保反対のデモと対になって覚えている。が、まあ、それ以上のことは(当時は)知らなかった。

 その次が池田勇人。がらがら声のおっさん。所得倍増を唱えながら、「わたしは嘘は申しません」「貧乏人は麦を食え」などの名文句を残したひと。カレーライスがどうのこうの、と言っていたかも。総理の功績かどうかはわからないが、確かに豊になったようでもありますね。むろん、失ったものも多々あることでしょうが。

 次が佐藤栄作。「栄ちゃんと呼ばれたい」などと言っていたが見向きもされず、不人気な総理でした。全共闘世代にとっては敵方の大将だった。最後は取り乱したみっともない退陣となりました。

 そして田中角栄。とにかく精力的なおっさん。ちょびひげやらだみ声やらはげ頭やら。上品さをまったく感じさせない総理だった。列島改造を唱えて政策も精力的。選挙資金集めや私服肥やしも精力的で、最後は収賄罪の犯罪者となってしまいました。

 金まみれの政治の清浄のために、登場したのが三木武夫。ただし、それ以上のことは印象に残っていません。

 以降、大平、福田、仲宗根、海部、宮沢、宇野、鈴木、竹下、橋本、小渕、森といった総理がいたようだが、何をしたかはもとより、順番すらも覚えていない。漏れている総理も数名いるかも。

 おっと、途中どこかに、反自民細川護煕がいました。目標はよかったのだが、うまく運ばなかったようで。そして、自民党社会党というわけのわからない連立ができ、村山富市総理。細川も村山も総理の座にはあまり固執せず、あっさり退陣してしまいました。

 そして、小泉純一郎。政策的には大失政のようだが、特筆すべきはその人気。熱狂的な人気を博していました。たとえば、大相撲の表彰式。貴乃花の優勝に際して、「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」というアドリブを。官僚の作った原稿を棒読みする政治家とは大違い、新鮮でした。でも、繰り返すが、人気を後ろ盾とした政策は……!

 小泉勇退のあとは、阿倍、福田、麻生の短期政権。三馬鹿トリオと言うとか言わないとか。

 そして、民主党へ政権が移る。危なっかしい鳩山から菅が政権を奪ったのはよいけれど大震災でオロオロするばかりで失墜。そのあとを請けたのは、自民党工作員とおぼしき野田政権。自民党がやりたくともできなかった法案を成立させ、さらには民主党を完膚なきまでに破戒して、目論み通り(?)政権を自民党に返還。そして懲りない阿倍政権へ。

 と書き連ねてみるとむなしくなるばかり。ああ、ニッポンは……!