くろんぼコンテスト
差別用語ではない。子どものころ、夏の定番催しのひとつにくろんぼコンテストというものがあった。なんのことはない。日焼けして黒くなった肌の、黒さの度合いを競うコンテストである。
参加するのはおもに男の子。みな見事に真っ黒だ。黒光りしている。真っ黒い顔の中に、真っ白い歯と、白い白目がやけに目立っている。
子どもたちはコンテストのために焼いていたのではない。外で遊んでいたら自然に日焼けしてしまったのだ。上半身は裸で遊んでいたのであろう。シャツの袖の境目なんて目立たない。
今の子どもは、夏でも日の下ではあまり遊ばない。熱中症も怖い。そして紫外線の害も宣伝され、日焼けを避けるよう指導されている。そもそも、外で遊ぶことを知らない。大人がついていないと遊べばない。大人はできれば太陽の下にはでたくない。
ということで、日焼けした子はほとんど見かけない。くろんぼコンテストは遠い日のお話。復活の兆しもないだろう。いたずらに日焼けするよりも健康的には良いだろうが、どこかさびしい気がする。