ラジオ

 小学校低学年のころまではテレビがありませんでした。テレビなるものを知ったのも小学校に入ってから。が、テレビを見始めると、あっというまにどっぷり浸かってしまいました。

 では、テレビが来るまではどうだったか。テレビの前はラジオですね。でも、子どもにとってラジオはそれほど魅力的なものではありませんでした。

 そりゃ、そうだ。音がするだけの箱(ラジオ)の前でじっと座っているなんて子どもには無理だ。耳で聞くだけで、想像力が働くようにはできていない。すぐにもてあましてしまう。

 聴いたような記憶が残っている番組は数えるほど。もしかしたら、勘違いでテレビだったかもしれないが。

 笛吹童子、赤胴鈴の助、鐘の鳴る丘(だったかな)、そして「少年探偵団」。これらは、主題歌から思い出す。「ひゃらーり、ひゃらりーこ」、「ちょこざいな小僧、なを名のれ」「赤胴鈴の助だ」「けーんをとってはニッポンいちの」、「緑の丘の赤い屋根、とんがり帽子の時計台」、「ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団」

 テレビの記憶に比べれば、惨憺たるものである。もっとも、テレビとラジオの違いの他にも、年齢の違いも大きいだろうけれど。