半ドン

 昭和の時代には半ドンという制度があった。

 週休二日制が導入される前、サラリーマンは土曜日は半日だけ仕事に出た。土曜日は午前中だけ仕事をした。

 因みに、半ドンの〝ドン〟とはオランダ語の日曜日だか休日をあらわすドンタークから来ているという説もある。博多どんたくも同じですね。一日の半分が仕事、半分はお休みなので、半分の日曜/休日ということでしょうね。

 わたしが努めた会社はすでに週休二日が導入されていました。が、その後転職した先は、月二回の半ドン出勤がありました。なんかむりやり働かせようというせこさを感じなくもありませんが。それはさておき、

 わずか三時間とはいえ、土曜日にわざわざ会社まで行くのは辛いものがありました。が、いっぽうで好いこともあります。

 午後からの時間を都心でゆっくりと使うことができるのです。

 休みではなかなかそうはいきません。休みの日はゆっくり寝ていたいものです。おもむろに起きてでかければ、正午に目的地というのは案外大変なこともあります。さらに、休みの日にわざわざ都心まででかけるのは避けたい気分でもあります。

 その点、半ドンなら申し分ありません。午前中は都心の会社にいるのだから、仕事の終わる正午には当然都心にいます。また、仕方なくとはいえ、すでに出勤しているのだから、重い腰をあげて出かける必要もありません。仕事のあとなので、家族への気兼ねやら、家族を同好する必要もありません。

 とまあ、一見、辛い半ドンにも、それなりのよさがありました。有効活用もいたしました。が、とはいっても、なまけもののわたしは、ゆっくり寝ているほうが好きですが。