デカパン

 デカパンという言葉を耳にしなくなった。

 昔はトランクス型のパンツをそう呼んだ。赤塚不二夫の漫画にも、いつもデカパンいっちょうのおじさん、その名も〝デカパン〟が登場していた。

 デカパンそのものはいまも健在なのだが、呼び名が変わった。

 デカパンはトランクス型のパンツである。もちろん、デカいパンツから来ている。

 デカパンと呼ばれていたころは白無地がほとんどであったが、その後、チェックや縞などの柄の入ったパンツが白無地を凌ぐようになってきた。その頃から、ガラパン(柄パン)と称されるようになった。

 そのころ、ブリーフをはくひとも増えてきた。そして、柄パンよりも白ブリーフのほうが多かったようだ。女のパンツといって敬遠されていたのがウソのよう。

 で、その後ずっとガラパンかというとどうもそうではなさそうだ。同じものなのに、トランクスという呼び名のほうが一般的になってきた。

 いま、ボクサーパンツといわれているものは同じものなのだろうか。あいまいになってきた。

 また、長いあいだ、つるっとした生地でつくられていたが、最近は伸縮性の生地も多くなってきた。いっぽうで、ブリーフも白一色ではなく、カラフルになってきた。

 そういえば、その前はふんどし、そして、さるまた、だった。パンツにも時代あり、ということか。