ねずみ取り

 ねずみを捕まえて役場かどこかへ持っていくと一匹につきいくらといった賞金をもらえる制度があった。

 ねずみは猫いらずによる毒殺、あるいはねずみ取り器ごと水に着けて溺死させる。その死骸と引き替えに賞金がもらえた。

 当時はそれほどねずみがはびこっていたようだ。また、ねずみはペストなどの病気を運ぶ動物として恐れられていた。

 現在、このような制度を耳にしなくなったのは、ねずみが減ったからなのだろうか。それともねずみの害をさほど心配しなくてよくなったということなのだろうか。

 ねずみが減ったのではなく、用心深くなって人前に現れなくなっただけのような気もするのだが。また、ねずみの害は変わらねど、より害の高いものが現れたということもあるのかもしれない。猫も増えたようだが、猫はねずみを取らなくなったので、ねずみ現象の理由にはならないだろう。

 この点に関しては世の中良くなったのか、悪くなったのか、良くわからない。