押し掛け
自動車のエンジンの押し掛けを目にすることはほとんど無くなった。
かつては日常茶飯事、あちこちで目にした。いや、見ただけではなく、押すのを手伝わされたこともある。
停止しているエンジンは、電気でモーターを回し、エンジンに弾みをつけた上で点火することによって起動する。
多分、バッテリーの性能が悪かったのだろう。停まっているうちに放電してしまい、始動しようにもモータが回らないことがある。
そんなときは、自動車を押して走らせエンジンに弾みをつける必要がある。下り坂があればラッキー、ひとが押さずともエンジンは回る。
押してくれる人がいないときは、エンジンに専用の棒を突っ込み、この棒を回すことによってエンジンを回した。自動車には、この棒を突っ込む穴があいていた(この専用の棒をなんと言ったか、どうしても思い出せない)。
とまあ、そんなこんなで、自動車を始動するのには結構苦労していた。HV、EVだのバッテリーで動く自動車なんて信じられない時代だった。